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正室たま（ガラシャ）の悲報を受けたのは、江戸城においてであった。 狂おしい程の愛を注いだ妻の死に、悲憤の中、彼女を死へと追いやった石田三成への復讐を誓う。 「信長公を彷彿とさせる苛烈さ」と評された男は、溢れんばかりの憎悪を胸に、決戦の地へと向かうのであった。 慶長五年九月十五日、細川越中守忠興 三十八歳の関ヶ原。
